み言葉のいづみ
祈りを聞かれる神を知る
2013-02-01
千代崎 備道
「祈りを聞かれる方よ。」
(詩篇 六五篇 2節前半)
聖書の中には祈りに関する約束が多くあり、私たちが信じて祈るなら神様はその祈りを聞い
てくださる、と教えられています。しかし、実際には、祈ってもなかなか祈りが聞かれない
ことがあります。神様は祈りを聞いておられるのだろうか。聞いていても、かなえては下さ
らないのだろうか。そのように悩み、祈りを止めてしまいそうになります。しかし、神様は
確かに祈りを聞いてくださり、私たちが考える以上のことをもって祈りに応えてくださるの
です。
人間には言い間違えることがあります。もし、ミカンが欲しいと思いながら、「リンゴを
ください」と言ってしまい、そのとき相手がリンゴをくれたら、少し残念ですが、相手の親切
に感謝します。もし、相手がこちらの気持ちを察してミカンをくれたなら、自分のことを良く
理解してくれる相手の配慮に感謝できます。神様に祈るとき、祈ったものが与えられる以上に
素晴らしいことは、祈りをきいていてくださる神様がどういうお方かをを知ることなのです。
昔、アメリカの田舎に貧しい牧師一家が住んでいました。食べていくのに精一杯で、生活に
必要なものでも買うことができない一家は、一人暮らしの叔父さんがクリスマスに送ってくれ
るお金で毎年助けられていました。ある年、クリスマスにお金ではなく、プレゼントの箱が送
られてきました。しかし中身は、貧しい一家には相応しくなくて使えないものばかり。がっか
りしたと同時に、必要なものを今年は買えないことで落胆してしまいました。しかし牧師は言
いました、「家族のいない叔父さんが私たち一人一人のことを想いながら選んでくれたプレゼ
ントだ。叔父さんの愛に感謝しよう」。家族は感謝して、自分へのプレゼントを受け取りまし
た。牧師婦人が、彼女には似合わない派手なバッグを手にとって開けてみると、中には毎年と
同じ金額の小切手が入っていたのでした。
神様は私たちにとって何が本当に必要なのかを知っておられ、いつそれを渡すのが最も良い
かもご存じです。私たちは自分の欲しいものが、自分の願ったときに、自分の計画していた方
法で与えられることを求めがちですが、神様は最善のことを知っておられるのです。祈りなが
ら神様に問いかけるときに、神様に近づくことができ、神様の思いを教えていただき、神様の
素晴らしさに触れることが出来たら、なんと幸いなことでしょう。祈りを聞きたもうお方を信
頼し、祈りによって御側に近づきましょう。
